
この曲の制作が始まったのは2022年12月
ちょうど1作目Sunshineのリリースが終わって
2曲目をどうしようか悩んでいるときのことだった
楽曲のストックはたくさんあったのだが
FRIENDSHIP.のキュレーターの方から
1作目のような曲が欲しいと言われその意図を掴みかねていたのだ
私の作曲法は若干特殊で
根本的に楽器演奏者でないからか
まず頭の中に楽曲のイメージを創り上げるところからスタートする
もちろん鍵盤をいじりながら曲ができることもあるにはあるのだが
多くの場合は何も持たずにただただ物思いに耽っていることが多い
この日は246沿いの24時間営業のマクドナルドにて
ただひとり頭を悩ましていた
とりあえずテーマを決めよう
1作目の主人公はどんな男なのだろうか・・・
彼の名はきっと、「Mr.dandy」
そんな安直な考えから楽曲のイメージを組み立てていく
出てきたのは、AerosmithとP!nkを足して2で割ったような
かなりハイテンションな感じ
(疲れもあったのか…)これはこれで面白いかなと納得して
メロディと歌詞を書いていき
ひと通りできたところでトイレに立つ
ここのトイレは2階にあるのだ
そこでふと邪な何かが頭をよぎった
Sunshineの次はmoonshineなんじゃないか?
鼻歌を歌ってみる
すぐに一節できた
ちょうどAメロの部分である
しかしさすがに安易じゃないかと思って
席に戻って、Mr.Dandyの作業を続けることに
ところがその鼻歌のメロディが消えない
完成形でいう”moonshine”の部分が
頭の中で何度もリフレインしている
この曲にはきっと
何か魔法のような力があるに違いない
そう思った私は急いで
詞とメロディを書くことにした
確かにこの曲には不思議な力があったのだろう
ここから私の周りに起こった出来事は
ドラマティック極まりないことばかりだった
その後スタジオに向かい
鍵盤を弾きながらコードをつける
鼻歌の部分のメロディは主にキーがAメジャーだったのだが
(鼻歌のキーがたまたまAだった)
イントロをどうしようかと考えながら
Sunshineのイントロを弾いてみたりしていた
SunshineはC#メジャーではじまって
ベース音は変わらずコードが展開していくのだが
moonshineは同じC#メジャーから
ベース音だけ下降させていくとどうなるだろう
発想自体は安易だけど
音の感じは悪くなかった
結果論というか棚ぼた的ではあるが
イントロからAメロで
キーがC#からAにジャンプするのも
David Fosterみたいで好感度高かったので
とりあえず採用することにした
ただし私はあくまで鍵盤奏者ではないので
このときはコードを仮で決めただけにすぎない
自宅に戻り
ラップトップの前でアレンジ作業に入るのだが
1週間ほど行き詰まっていたような気がする
なんとなく頭に流れている音のイメージはあるのだが
それを具体的にどう楽器で表現していいか
いまいち掴みきれない時期が続いた
とりあえずイントロ作ってみるか
ということでギターのアルペジオで
先述のコード進行を奏でてみた
すると不思議なもので
もうそれだけでこの曲はいけたなと
確信が湧いてくるわけです
そうなるともうあとは自動的というか
導かれるがままに音を重ねていく
イントロのシンセサイザーのメロディも
こうなるとスッと出てくるわけです
不思議なもので
そんな調子でサクッと歌入れも終わらせて
大方完成というところでひとつ問題が
この曲には間奏があったのだ
間奏ということはソロを弾かねばならない
わりとこれは私には荷が重かったりする
なぜなら楽器演奏者としてのスキルがゼロだからだ
実はSunshineもMelty Kissも
いわゆる間奏と呼ばれるパートがない
イントロの繰り返しだったり
Sunshineはちょっとなんて呼んでいいかわからないけれど
ある程度テンポが遅かったりすれば
どうにかなったりもするのだが
この曲はそんなに遅くもない(速くもないけど)
どうしようかなんて考えながら
とりあえずシンセサイザーで
Aメロのメロディをなぞっておくことにした
ここまで書いておいてなんだが
ご存知の通り2作目はmoonshineにはならなかった
この直後くらいにシャワールームで思いついた
ベースリフを元に一気に書き上げた
Melty Kissを時期的にも採用することにしたのだ
つまりMelty Kissをリリースした時点で
moonshineはほとんど完成していたことになる
ではなぜリリースが5月とこんなに遅れたのか
出し惜しみしていたのか?
そんなことはない
そこにはきちんとドラマがあった
Melty Kissのリリースを終えた頃だろうか
親しい友人バンドのライブがあった
私はそれを観に行った後
打ち上げの席である偉い人から
こんなことを提案してもらった
FS.で月に1回イベントをやってみないか?
FS.というのはFRIENDSHIP.のフラッグシップスペースである
意外に思われるかもしれないが
私はリアクションというものが大変下手くそで
以前フォロワー10万人クラスの
メキシコ人インフルエンサーのインタビューに
ある伝手で出演したことがあるのだが
リアクションが希薄すぎて使えないとボツになったくらいである
結構不器用なのだ
このときもそう言われた途端
完全にフリーズしてしまった
あとで自己分析したところによると
嬉しいという感情を表現する前に
どんなイベントにしようかということを
具体的に模索するモードに入ってしまっていたんだと思う
そんなとき近くに座っていた男が
この日ライブを終えた石井ひなたである
彼はこう言ってくれたのだ
「もしやるなら吹きますよ」
その瞬間私の中に稲妻が走るわけです
ひなたが吹いてくれるなら
鍵盤にこの人を呼ぼう
映像をこの人に撮ってもらおう
そうなるともう誰にも止められないので
凄まじいスピードで物事が動いていきます
結果的にそのイベントは
提案してくださった方の意図するものとは
大きく離れたものだったようで
その後軌道修正を余儀なくされたわけですが
こうして私の記念すべき東京初ライブ
開催を迎えることになったのです
そしてこのライブが
今回のmoonshineのプロダクションに
大きく影響を及ぼすこととなったのです
まず第一にひなたとの初共演を終えて
私はすぐにこの曲のソロを吹いて欲しくなりました
それでライブ直後にお願いしてみると彼は快諾してくれたので
この曲は素晴らしい完成を迎えることとなりました
次に考えるべきはアートワークです
ここはまさに私にとって泣き所だったりするわけなんですが
これもまた不思議な出会いが起こったのです
それはそのDandy Tonight Vol.1の次の日
私は撮影してくださったShogo Matsudaさんが
持ってきてくれた照明を運び出すのを手伝うために
また渋谷へと向かっていたのですが
そこで一本の電話が入ります
彼は昨夜のイベントに足を運んでくださっていた写真家の方であり
またそんな彼は同じくイベントに来てくださっていた共通の友人の方から
誘われて今夜パーティに行くんだけれども来ないか?
そんな内容でした
私も疲れ切ってはいたのですが
パーティの内容を尋ねると
よくわからないとのこと
すると俄然興味が湧いてきまして
私は行くことにしたのです
Erich BouccanとAmanda Brizollaのふたりでした
そこにいたのが今回ジャケットを作ってくれた
どうやらErichはThe Strokesなどの海外ミュージシャンも撮っていたりする
高名なカメラマンだったようなのですが
そもそも私はThe Strokesを知らなかったので
Instagramを見てかっこいい写真を撮る人だなあという第一印象
Amandaはいわゆる国際モデルという
立ち位置で日本に来ており
Erichはそれに合わせて休暇をとり
旅行で日本に来ていたのです
彼らは歳が9歳離れたカップルで
私がちょうど彼らの真ん中に
位置するような年齢ということもあって
その日にいたメンバーの中では
同世代という感覚でありました
しかしそれこそAmandaなんかかなり若いんだけれども
日本の同世代の人たち(あるいは上の人たちも含むかもしれない・・・)
と比べると非常に確かな自分の考えを持って生きているというか
ものすごく感銘を受けたんですね
そしてErichはとても雄弁な男で
私の英語力じゃたまに追いつかないところも
しばしばあったのですが
とにかくすごく純粋な綺麗な目をしていましてね
それでいて家族の時代は終わった
これからは友情の時代だとか
なかなか面白いことを連発してまして
これは久々に面白い人たちに会ったと思って
個人的にはけっこう興奮していたのですが
なんせリアクションのへたくそな男ですから
向こうがどう思っていたかは知りません
そんな形でパーティは終わりを告げたのです
ところでこの次の日に何があったかというと
先述のFS.でFRIENDSHIP.の企画である
“Bacon Party”というのがあったのです
それでせっかくなのでErichを呼んでみる事にしました
すると彼は二つ返事でOKをしてくれて親交を深める事になります
そこで私はまた一人の男に出会ったのです
ミヤシタショウタという美容師の男でした
彼もまたFS.に来るのは初めてだったらしいのですが
ある伝手でたまたま来ており
Erichは次の日彼の知人のバンドのリハーサルに
飛び入りで参加する事になるのですが
またそれはさておき
その彼がカットモデルをやらないかと私に声をかけてくれて
実は私は東京に来て以来ずっと担当してくれていた美容師が
ちょうどロンドンへ発ってしまった直後で途方に暮れていたので
なんだか運命的なものを感じ
今度是非よろしくということでその日はお開きとなったのですが
まさにそのカットモデルという体の
ただただ髪を切ってもらった日に
またも稲妻に打たれる事になるのです
それは月曜日の夜だったのですが
聞くと彼は明日休みだと
それでErichはその2日後に国へ帰る事になっていました
そしてその次の日がまさに満月の夜だったのです
私はもう居ても立ってもいられなくなって
Erichに連絡をしたのです
明日みんなで鎌倉行くから
ジャケット用の写真を撮ってくれない?
私はやはり彼と色々話をするにつれて
今回の曲は彼に撮ってもらうのが一番いいんじゃないか
彼はこの曲が目指すところの意味を知っているような気がしたのです
もちろん彼がいいなら・・・ですが
すると彼は
帰り空港まで送ってくれるならいいよ
と快諾してくれたのです
ここまでの件に私はすっかり興奮してしまって
夜一睡もできませんでした
不器用なのです
さて当日私もひたすらカフェインを体にぶち込んで
ハンドルを握りました
ロケーションは完璧でした
夕陽に照らされたビーチ、富士山、そして満月
あれほどのロケーションがあるかと感動したものです
そして感動しているのは私だけじゃなかったのです
日本に初めて来た彼ら2人がそんな富士山を見たことがあるはずもなく
子供のように砂浜ではしゃぐ姿を見て
自分の撮影のことも忘れて嬉しく思ったものです
鎌倉へ向かう道中
Erichとこんな話をしていました
世界平和のためにどうすればいいだろうか
すると彼は簡単そうにこういうのです
“Sharing happiness”だと
そのあまりの簡潔さに拍子抜けするのですが
かと言ってそこには力強い何かがあって
心のどこかで圧倒されているのです
そしてそれはあの鎌倉の海岸で実現できたのではないかと
またそれこそがこの曲の表現したかったことのひとつなんじゃないかと
実にドラマティックな展開に夢なんじゃないかと
モンスターエナジー片手に思ったものです
実際完成した写真を見たときに
そこには月も富士山も写ってないんだけれど
その空気感がすべて詰め込まれているというか
素晴らしい作品にしていただきました
そういう経緯もあってその場にいたメンバーで
今回のジャケットは作ろうと思い
タイトルの文字入れをAmandaにお願いしました
実は彼女は絵を描いたりもするのですが
快諾してくれて素晴らしいインスピレーションを
写真の魅力を損なうことなくプラスしてくれました
彼ら2人との出会いには本当に感謝しています

ジャケットが完成した後はサックスソロのレコーディングです
私はサックスというものを今まで録音したことがなかったので
それとなく緊張していたのですが
ひなたは30分遅れてくるという大人物ぶりを見事に発揮してくれました
ところがいざレコーディングとなると
もう1テイク目から素晴らしくて涙が出そうになりまして
結果的に2テイクで完了しました
待ち時間の方が長いというまさに大物ミュージシャンのそれでしたね
1テイク目に神は宿るとはいうものの
実際に1テイク2テイクで終われる人ってなかなかいないですからね
ところがサックスを入れた事によって
サックスソロの箇所のベースラインが
絶妙にサックスソロを邪魔していることが発覚してしまい
慌ててマスタリング直前に録りなおしました
不思議とサックス録ってるときは誰一人気づかなかったんだよね
それからミックスし直したからなのかもしれないんだけど
やっぱりそこ変だよねってなってサクッと録り直しました
さてそんなわけでめでたく音源も完成し
本来ならここで終わりなところなのですが
今回はMusic Videoを制作することに決めていました
ここにもまたたくさんのドラマが隠されていたのです
そもそも今回はなぜ作ろうと思ったのかというと
Melty Kissの頃に遡ります
ある友人の方の紹介で知り合った映像クリエイターがいて
彼にMelty Kissの音源を送ったら
ぜひMusic Video撮りましょうと言ってくださって
ちょうどMelty Kissのインタビューの中で
映像クリエイターとコラボしたいみたいな話をしたところだったので
有言実行というか言霊というか
言ってみるもんだなと思って個人的にとても嬉しかったんですね
ところが実際Melty Kissだとラブストーリーなので
相手役の女優はどうしようとか色々考えていくうちに
タイミング的にもMelty Kissはリリースしてしまっているし
次の曲でコラボする方がいいんじゃないかと
それでもうそのときmoonshineはほとんど出来上がっていたので
次はこんな曲ですというと
そのほうが彼の作風にもあっているということで
moonshineで彼とコラボする事になったのです
ところが私の悪い癖で
なるべく未完成のものを他人に聴かせて
モチベーションを下げたくないという思いから
マスタリングが終わるまで仮の音源も送らず
連絡もしてなかったんですね
すると気がつけば4月末
2ヶ月以上が経過していたわけです
しかし私はMusic Video撮る気でいるわけです
久々に連絡して久々に会う事になったのですが
なんとなく受ける感じが以前と違ってる気がして
それでもとりあえず日程決めて進めていきましょう
というふうにはなったわけです
この時点ではほとんど何も決まっていなくて
かといって私の方で全部決めてしまうのも面白くないだろうし
ある程度曖昧にした中で委ねてみようかなと言った具合です
するとこれが良くなかったのか
どうも噛み合わないというか
向こうからの明確なアイデアが一切送られてこないわけです
とりあえず日程だけは決めたのですが
場所すらも決まっていなくて
これはどうしたものかと
こういうアイデアはどうでしょうと提案しても
微妙な答えしか返ってこないような具合で
とはいえ撮影日まで1週間を切っていたので
さすがに私も焦れてしまって
このままでは埒が開かないということで向こうに改めて尋ねると
今回は降板したいとのことでした
撮影日の4日前とかだったんですね
これにはもう頭を抱えまして
かと言ってもうこの人とできるかっていうと
どう考えても難しいだろうし
企画自体やめようかということも考えたのですが
これがまたこのとき
私がとんでもない稲妻に打たれてしまっていて
やはりドラマを起こすにはヒロインがいた方がいいなあ
というところから一気にストーリーのイメージが膨らんでしまって
シネマプランナーズというサイトで募集を始めてしまうわけです
するとこれがまたとても素晴らしい感じの女優さんからいっぱい応募があるわけです
もう絶対に完成させたいという
揺るぎない信念がこの時点で既に完成してしまうわけですね
とはいえ4日前ですから
ましてGW真っ只中
これがまた満月の日に撮影を設定したんですけど
天気の都合上どう考えてもこの日しかないという
こどもの日
一体誰が空いているのか
するとここでまさかの強運を発揮するわけです
Aiko YoshibaさんのLIVEに
先述のDandy Tonight Vol.1で大々的にサポートしていただいた
それも4月だったと思いますけどご招待いただいたんですね
それでそのときLIVEを撮影していた方をご紹介いただいたんです
それが今回撮影、テクニカルディレクターを担当してくださった
前川達彦さんです
前川さんはもうプロ中のプロで
ドラマに映画にTV番組ともう幾多の現場をこなしている様な方なわけです
それでもしたまたまスケジュールが空いていて
企画に賛同していただけるならぜひ撮影していただきたいなと
お声をかけさせていただいたところ
OKだったんです
本当にたまたま
あまりの自身の強運にこのときは恐怖を覚えましたね
しかし思えばそういうパワーをこの曲は持っている様な気がします
撮影日も完璧すぎるほどの快晴で抜群の撮影日和
強いていえば撮影が終わった後
友人アーティストと打ち上げでたこ焼きを食べたときに
喉を火傷して1週間満身創痍だったくらいのことはありましたが
実際に打ち合わせをさせていただいた時の安心感たるや凄かったです
なんせ私は映像に関してはど素人なわけですから
そんなど素人が監督をやろうっていうわけで
コンテも描けないし相当無茶苦茶な現場だとは思うんですが
熟練の技と感性で色々と作りたい内容を汲んでいただいて
その上に最高のアイデアをいくつも提案してくださって
本当に素晴らしいサポートをしてくださいました
リップシンクのななめカットも前川さんのアイデアですし
しかも撮影中moonshineをリピートでかけてたんですけど
採用されたテイクはリピートではじまった2周目というか
なぜだか全員が示し合わせたように
これもう一回続けて撮影行くんだなって
それはもう前川さんがカットを言わなかったからなんですけど
でも結局そこで一番いい表情が撮れたという不思議
ひなたとは真逆でリップシンク全体で言うと9テイク目くらいだったんですけどね
そしてヒロインを務めてくれた松村美和さん
短い募集期間の中30名を超える応募をいただき
その中には男性の応募者も1名いたことを書かずにはいられないのですが
それはさておき・・・
そのうち10名ほどの方をZOOMを使って面談させていただきまして
これがまたその日は以前から友人を友人に紹介する日という事になってまして
けど急なもので面談するにはもうその日しか残されてないわけです
それで実を言うと友人たちがビールを飲んでいる隣で
Macbookを開いて面談していたのですがそれはバレていなかったことを願います
おそらく私は飲んでいなかったと思います。Maybe…
閑話休題
美和さんはルックスで言うと一番私のイメージに近い女優さんでした
あまりにイメージに近すぎて怖いくらいに
しかしまあそうはいっても話してみるとどうだろうと
まあ疑ってかかって面談をするわけですが
キャラクターについての考えや演技プランを聞いていると
これがまあ私のイメージに一番近いことを言ってくれるわけです
それがまた簡潔で無駄がない
なんだか逆に困ってしまって私が黙ってしまって
すると彼女は最後にこう言うわけです
「私の見解は正解でしたか?」
そのインパクトたるや
一気に酔いが醒めましたね
確か彼女を面談したのは4人目くらいで夕方だったかな
その日が終わるまで面談は続いたんですけど
結局そのインパクトを超える人は現れず
次の日の朝イチでよろしくお願いしますと連絡しました
結果的に大正解だったと思います
感性が鋭いというか
肝が据わっているというか
あんまりごちゃごちゃ説明をしなくても
すごくこちらの意図を汲み取ってくれるというか
その上すごく堂々としているから
こちらはただただ仕事に集中できるという
本当にプロフェッショナルでカッコよかったですね
そして何と言っても大きなインスピレーションをくれたのがYayoi Hirataさんです
彼女はAerosmithやMaroon5なども手がけているヘアメイクアーティストさんなのですが
SNSをきっかけに知り合ったのが2年ほど前
それから私が企画出演する番組にゲストで出ていただいたこともあって
度々ご縁があるのですが今回はYayoiさんの企画で
4月の半ばごろにポートレート撮影の被写体として参加させていただきました
そのときの作品は24日まで幡ヶ谷で展示されているのですが
その中で時計じかけのオレンジみたいな感じでよろしくと
オーダーを受けたキャラクターがいてまして
彼を今回のMusic Videoの主人公にしたら面白いんじゃないか
と言うことで今回Yayoiさんにヘアメイクとスタイリストをお願いしました
結果的に映像的にもすごく華があるものになったと思いますし
歌唱シーンとの対照性も出せてやはり大正解でしたね
帽子についている緑のオブジェみたいなものは
おそらくYayoiさんがご自身で作られたものだと思うのですが
あれは作品撮りの時はついていなくて
でも私が今回のキャラクターのことを便宜上ピエロと呼んでいたんですけど
ピエロだったらと言うことでアドリブで持ってきてくださったんですね
そのチーム全員がクリエイティブで研ぎ澄まされてる環境っていうのは
やはり心地いいんですよね
だからいいものが生まれるという好循環
余計な心配をしなくていいと言うか
そんなことしてる暇があったら
どうやっていいものを作るかを考えているというか
だから私もやってるうちにどうしても
美和さんにサングラスかけてギター弾いて欲しくなってしまって
元々外のシーンが終わったら上がってもらう予定だったんだけど
なんかもうその日のムードがそうさせてくれたといいますか
結果的にとても重要なシーンが撮れたので本当に良かったです
そして物語の舞台となったのは私がよく遊びに行くお店で
テルチというサロンバーなのですが
松本智恵子さんという伝説のスタイリストの方がオーナーをされているところで
今回こちらで撮影したいというお願いを快諾してくださいました
こちらのお店に行き着いた件もなかなかのドラマがあって面白いのですが
それはまた別の機会にということで
実を言うと智恵子さんはmoonshineのジャケット写真を
何枚か候補がある中から選んでくださった方でもあるのです
そんなわけでとても色々なドラマを経て出来上がった作品
“moonshine”
ぜひともみなさんに何かを感じていただければと思います
2023.05.19 Dan Mitchel